「わたしはどこにいるんだろ」

わたしはどこにいるんだろ

朝から京都の町を探すの

でもどこにもいません

お気に入りのお寺の伽藍

覗いてみても

どこにもいない

部屋に帰ってトイレを覗いて

ここにもいない

ネコが足に絡みついて

きいてみる

ねえ、わたしはどこに行ったの?

ネコは怪訝そうな面持ちで

はなれていくの

服をぬいでベッドにころがる

下着も靴下もぜんぶとって

自分のからだをジッと見る

これがわたし

ここにいるじゃない

ここにいるんだよ

こうしてここに生きてある

………………

起きたら

暑くて背中がぐっしょり

窓外を見ると

もう陽が真上にある

またひとりで寝てしまった

寂しいんじゃない

誰かといたいわけでもない

わたしは自分が見えていない

頬をつねると痛いの

下半身をいじくったら

ちゃんと最後までいける

それなのに

わたしはこの体が自分のものでない

心がいつもここにない

だれかわたしを探してください

輪郭を

実体を

これだと示して

もう二度とはじけてしまわないように